土木構造物は地盤上あるいは地中に建てられます.そのため,土木構造物を設計,建設する際は,土と構造物の相互作用をどのように評価するかが重要となります.土と構造物の相互作用は,剛性の差,非線形性,外力特性といった様々な要因に依存します.これらの要因を適切に理解するためには,土と構造物の力学挙動を実験および数値解析によって明らかにすることが必要です.
近年,土木構造物の設計は仕様設計から性能設計へシフトしており,構造物の変形や損傷だけでなく,要求性能や限界状態を調べる必要があります.以上に述べた課題に基づき,本研究室では,杭基礎,カルバートトンネル,補強土といった様々な土木構造物を対象に,遠心模型装置やX線CTを用いた実験と,数値解析を用いた研究を行うことで,土と構造物の相互作用を解明し,合理的な設計方法の提案を目指しています.
地盤材料には,砂,粘土,岩にセメントや水ガラスといった化学物質や自然に堆積するガスハイドレートが混合した改良土があります.それらは基本的に土粒子と,その間隙を水や空気,あるいはその他の物質が占める多相混合体であり,不均質で多種多様な特性を示します.
本研究室では,不飽和土やメタンハイドレート含有砂を対象に,三軸圧縮試験,空洞化実験などの要素実験を行い,土の力学挙動を解明しています.また,X線CTによる可視化により,地盤材料の変形,破壊現象をミクロな視点から解明しています.また,その力学挙動を表現しうる適切な構成モデルを構築しています.
さらに,豪雨による斜面崩壊や地震による液状化といった地盤材料の大変形および破壊を予測するための数値解析手法を発展させています.
多くの開発途上国が農業国でありながら,農村インフラ(農道,ため池など)の整備が進んでいないために貧困に苦しんでいます.農村部の未舗装の道では,雨季になると地盤が泥濘化し車が走行できなくなります.そこで,「開発途上国の問題は,現地に適した単純な方法で,そこに住む人々自身で解決していく」という方針のもと,「土のう」を用いた道路整備手法を開発しました.現在,ケニア,ブルキナファッソ,ミャンマーなど世界25ヵ国に活動範囲を広げ,貧困削減に寄与し,若者の雇用促進にも活用されています.
〒615-8540
京都市西京区京都大学桂 Cクラスター4棟
582号室(ー)
581号室(橋本准教授室)
583号室(木戸助教・柴戸秘書室)
587号室(学生部屋)
TEL :075-383-3193
FAX :075-383-3193